<執着>

pressココロ上




現在、ChatGPTに感動し、すっかり心酔している僕は、これまで3週連続でChatGPTに関連する記事を書いてきました。正直なところ、今週も引き続きChatGPTに関する記事を書きたい気持ちがあるのですが、さすがに4週連続となると、読者の皆さんも飽きてしまうのではないかと危惧しています。というわけで、今週は無理やり違う話題を書くことにしました。(^^ゞ

昨年のことですが、洗面所にある洗面台下のドアが壊れてしまいました。「壊れた」と言ってもドア自体ではなく、ドアに貼りつけてある化粧板が「剥がれた」という状態です。かなり古いものなので仕方ないのですが、家族以外に見せる機会はないにせよ、やはり見栄えが良くないので、DIYで修理することにしました。

僕は器用な方ではありませんが、何でも自分でやってみたくなる性格です。今のように、ネットで情報を集めたり、YouTubeで動画を見たりできる時代は本当にありがたいものです。素人でもいろいろなことに挑戦できるようになっています。しかし、今からわずか20年~30年前、当時は少し専門的なことはプロに任せるのが一般的でした。素人にはやり方がまったくわからなかったからです。

僕が最初にYouTubeを参考にしてDIY修理に成功したのは、自動車の「ワイパー交換」だったと思います(少し記憶が曖昧ですが、おそらくそうだったはずです)。それまではガソリンスタンドや専門店にお願いするしかありませんでした。しかし、YouTubeで実際に交換する様子を見ていますと、自分でもできそうな気がしてきます。実際、そうした動画では「自分で交換すること」が推奨されています。

もう少し昔話を続けますと、僕が初めてパソコンで画像を見たのは、今から25~30年前です(これも記憶は曖昧ですが、おそらくそれくらいです)。あえて強調しますが、僕が見たのは「動画」ではなく、なにも動かない、正真正銘の「画像」です。妹の旦那さんがパソコンに詳しく、いろいろと話を聞く機会があったことがきっかけでした。確か、我が家の最初のパソコンもその方から譲っていただいたものだったと思います。

そのパソコンで初めて「画像」を見たときの感動は、今でも昨日のことのように覚えています。「Windows95」が発売され、パソコンの認知は一気に広まりましたが、当時はまだインターネットが普及していませんでした。ある日、その旦那さんが我が家に来たとき、話の流れである化粧品の画像を表示させることになりました。しかし結局、妹一家が帰る時間までに表示されたのは、化粧品の「下のほう、ほんの一部分」だけでした。それほど通信速度が遅かったのです。

今回このコラムを書くにあたり調べたところ、2000年時点の日本のインターネット普及率は37.1%だったそうです。「フレッツADSL」や「Yahoo! BB」といったADSL事業が始まったのが2001年とのことですから、一般人が使うにはまだ難しい時代だったのでしょう。それを思うと、「生成AI」で文章や画像を作成できる今の時代は、まさに隔世の感があります。わずか25年でここまで来るとは驚きです。

話を洗面台の化粧板に戻します。化粧板を取り替えるにはドアを取り外す必要がありました。ドアは蝶番(ちょうつがい)で取り付けられていましたので、ネジを外せば簡単に取り外せるはずでした。ところがところが古いため、ネジの1本がどうしても回らないのです。ネジ山が潰れていて、ドライバーが空回りしてしまうのが原因でした。

ネットで調べますと、ネジ山が潰れたネジのことを「なめたネジ」と呼ぶそうです。この「なめたネジ」を外すのが一苦労でした。ネットにはたくさんの情報があり、その中の一つに、ネジ山に接着剤のようなものを入れて固め、ドライバーで回すという方法が紹介されていました。その「接着剤のようなもの」は千円以下でしたので試してみました。

しかし残念ながら、ネジは回りませんでした。やはり空回りするばかりです。さらに調べてみると、「なめたネジ」専用のドライバーが販売されていることを知りました。ドライバーをネジに食い込ませて回す仕組みのようです。それも千円以下でしたので購入しましたが、これもダメでした。接着剤と専用ドライバーを併用してみても、うまくいきませんでした。残念!

たった1本のネジを外すのに、これほど苦労するとは思いもしませんでした。YouTubeでは職人や専門家が様々な方法を紹介していますが、うまくいかないのです。そんなとき、「ドライバー」ではなく「ペンチ」でネジを挟んで回すという方法を見つけました。「なめたネジ」専用のペンチがあるそうで、画期的な方法に思えました。

「そんな方法があるのか!」と感心しましたが、素人の僕が最初に考えたのは、家にある普通のペンチで試すことです。やってみました。…しかし、普通のペンチではネジを挟めません。滑ってしまってダメなのです。やはり専用品は違うようです。

「ネジザウルス」という商品が有名らしいのですが、価格は2,000円~3,000円ほど。たかがネジ1本のためにこの金額を出すのはためらわれました。そこで「代替の道具はないか」とダイソーに行ったところ、「似たような道具」が2種類売っていました。どちらも「どんなものでも掴めます」との謳い文句。これは買うしかありません。どちらも300円。

「挟めたらいいなぁ」と思いながら帰宅し、試してみました。…が、ダメでした。「どんなものでも掴めます」と書かれているのに、挟めません。

落胆しながらネジを見つめていますと、ある言葉がふと浮かびました。「こだわりすぎじゃない?」。たかがネジ1本外すために、どれだけの時間とお金を費やしたでしょう。そう思うと、「これでダメだったらネジザウルスを買おう」と帰り道に思っていた気持ちも薄らいできました。なにをそんなにムキになっていたのか…。急いで直す必要もないのに、気づけば「執着」していたのです。そのことに気づいたとき、修理を中断する気持ちになっていました。

執着は視野を狭くします。

それから数か月後、ある日ネットを見ていますと、「ネジザウルス」と「ダイソーの『潰れたネジも回せるペンチ』」の比較記事を見つけました。どうやらダイソーにもネジザウルスと同じ機能を持つペンチがあるようです。それ以来、ダイソーに行くたびにチェックしていました。たまに取り扱いのない店舗もありますが、7~8割の店舗では売っていました。けれど、なかなか購入したい気持ちにはなりませんでした。

そんなこんなで迎えた先々週、我が家の収納床の回転取っ手が壊れました。これもまた古い家ならではです。再びDIYで修理することにし、まずはネットで情報収集。自分でも直せそうな感じがしましたので実行に移すことにしました。すると、ここでも「潰れたネジ山問題」が発生しました。古い取っ手を外そうとすると、やはりネジの一つだけが空回りします。ここでついに、ダイソーの「潰れたネジも回せるペンチ」の出番が来たのです。一昨日、ついに購入しました。

これでようやく、このペンチの実力を試すことができます。…と書きつつ、まだ挑戦はしていません。その結果はまた、いつかこのコラムで書こうと思います。

こうして今回また、「潰れたネジ山問題」にぶちあたったわけですが、これまでこの問題を放置していたことで、一つだけ良かったことがあります。それは、ストレスを感じずに済んだことです。あまりに思い詰めすぎると、ストレスでイライラすることがあります。それを感じずに済んだことは本当によかったと思っています。皆さん、一つのことに執着しすぎると、正しい判断ができなくなるものです。執着しすぎには、くれぐれもご注意を。

実は、僕の最近の悩みは「執着しないこと」に執着していることなんですよね。

じゃ、また。




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