<義理堅さ>

pressココロ上




フジテレビで日曜朝に放映されていた「ぼくらの時代」という番組が本日で終了しました。この番組はとても好きでしたので、本当に残念です。19年間も続いたそうですが、どうせなら20年と区切りのいいところまで頑張ってほしかったです。番宣で出演者が決まることもありましたが、芸能人や著名人の素の部分が見られて、とても楽しい番組でした。

本日は最終回でしたので、ナレーターを務めていた小林聡美さんが出演していました。僕の勝手なイメージですが、「小林聡美さんはフジテレビ」という印象があります。その理由は、昔深夜に「やっぱり猫が好き」という番組に出演していたことが関係しています。昔といっても40年ほど前、1988年のことですが、当時僕はラーメン店を営んでいました。帰宅はいつも深夜になっていましたので、晩御飯を食べながら観ていたのだと思います。正直なところ確かな記憶ではないのですが、当時の生活パターンからすると、そうだったのではないかと思います。

ラーメン店は開店当初、営業時間は午後11時までだったのですが、売上がおぼつかなかったため1時間延長しました。それでどうにか売上を確保していたのですが、12時に閉店し、急いで後片づけをして家に着くのが夜の0時40分くらいでした。ネットで調べると「やっぱり猫が好き」の放映時間が「水曜0:40 – 1:10」となっていましたので、辻褄が合います。

この流れで思い出したのですが、フジテレビでは同じくらいの時間帯に、金曜日に「いきなり!フライデーナイト」というバラエティ番組も放送していました。山田邦子さんがメインパーソナリティーで、渡辺徹さんと森末慎二さんがレギュラーだったと思います。この番組で一番衝撃を受けたのがオープニング曲でした。あの伝説のバンド「BOOWY」の曲が流れていたのです。それはそれは格好よかったです。

実は当時、僕は「BOOWY」のことを知らなかったのですが、仕事帰りにレンタルビデオ店に立ち寄ったとき、その有名さを知りました。当時の僕は家と店の往復だけの生活にストレスを感じていて、レンタルビデオ店でビデオを借りるのを楽しみにしていました。その店で、レジの横に置いてあったモニターに映し出されていたのが「BOOWY」でした。「いきなり!フライデーナイト」で聴いていた楽曲を歌っていたのです。それまでは音だけで知っていたのですが、初めて見た映像は、その格好よさをさらに際立たせました。店の人に尋ねて、初めて楽曲と風貌が一致したのでした。

たわいもない記憶と言えばそれまでですが、「いきなり!フライデーナイト」で忘れられない記憶があります。まだ新人時代の阿部寛さんが、その番組で鉄棒の懸垂を10回ほどこなした場面です。阿部さんは身長が190センチを超えていますが、それだけの体格の男性が懸垂をする光景は見応えがありました。邦子さんは「男性が懸垂をしている姿が好き」らしく、「もう腰が抜けた」と言うほど感激していた姿が印象的でした。

そうしたこともあり、僕は阿部さんに興味を持ちました。図書館でたまたま「アベちゃんの悲劇」という本を見つけたときは、思わず手に取りました。そこには外からは計り知れない芸能人の大変さが書かれていました。阿部さんはモデル出身ですが、モデル出身の方々は30歳までが一つの区切りで、そこから先をどうするかが勝負だそうです。多くの人が俳優業に進むのですが、その道のりが簡単でないことは容易に想像できます。

芸能界は、イケメンというだけでは生きていけません。なにしろイケメンばかりがそろっている世界ですから、それ以外に一つ抜きんでたものが必要です。今月の文藝春秋には作詞家であり、「坂グループ」のプロデューサーでもある秋元康さんが、フリーアナウンサーの有働さんと対談していました。その中で秋元さんは、成功するには「98%の運が必要」と語っていました。あれほどの実績を残している方がそう語るところに謙虚さを感じますが、「運の大切さ」があることは間違いないようです。

その意味で言えば、阿部さんをはじめ成功している芸能人の方々は、皆、運の持ち主ということになります。小林聡美さんもその一人なのでしょうが、運のほかに「マイペースで仕事をこなしている」という印象を受けます。「前へ前へ」という感じではなく、「時の流れに任せて」という感じです。芸能界で生きていくには、「流れに任せる」ことも大切なのかもしれません。

これまでは「ぼくらの時代」が終わったあと、そのまま橋下徹さんがコメンテーターを務めていた「日曜報道 THE PRIME」というニュース番組を見ていました。しかし、この番組も先週終了してしまいました。そこで久しぶりにTBSの「がっちりマンデー!!」を見たのですが、この番組は経済評論家の森永卓郎さんがコメンテーターを務めていた番組です。しかし森永さんは昨年、ご病気で亡くなられています。後任として息子の森永康平さんが出演していました。

この人事がお父様の要請によるものかはわかりませんが、仮にそうだとしても最終的に決めるのはTBSです。それを思うと、僕はそこに「義理堅さ」を感じます。それだけではありません。MCの加藤浩次さんが出演しているのは当然としても、アシスタントに元TBSアナウンサーの進藤晶子さんが出演していたのには驚きました。こう言っては失礼ですが、番組開始当初は若手アナウンサーだった進藤さんも、もう20年以上が経ち、若手ではありません。それにもかかわらず出演し続けていることに感激しました。

僕の勝手な思い込みですが、全体的にTBSには「義理堅さ」を感じています。「がっちりマンデー!!」のあとは「サンデーモーニング」が放送されていますが、そのスポーツコーナーでは「喝!」で有名な張本勲さんが出演していました。現在は高齢のためレギュラーを降りていますが、今でも定期的に出演しています。降板の際、「ときどき出ます」と話していましたが、当初は社交辞令のようなものだと思っていました。ところが実際に今でも出演しているのです。これもTBSの「義理堅さ」を物語っているように思います。

TBSには日曜夜に「日曜劇場」というドラマ枠があります。ここからは名作が数多く生まれており、2023年の「VIVANT」はあまりに有名ですし、「海に眠るダイヤモンド」「御神先生」といった作品も人気を博しました。これらを見ていますと、ドラマ制作の矜持を感じます。「ドラマのTBS」の面目躍如です。

もちろんフジテレビにも「月9」といったドラマ枠があり、そこでも名作がたくさん生まれていました。ですが、最近はそのブランド力が失われてきているのではないでしょうか。冒頭で書いた「ぼくらの時代」の前の時間帯には、昨年3月で終了しましたが、「はやく起きた朝は…」という番組がありました。実に30年続いた長寿番組でしたが、それも地上波では終了してしまいました。

その後継番組として、ヒロミさんがMCを務めていた「発掘!スタートアップ ヒロミのおはようミーティング」が始まりました。ときどきテレビショッピングが放送されることもありましたが、この番組は他とは違う視点で制作されていて、意外と面白かったです。しかし、この番組も先週で終了してしまいました。短期間で終わってしまったのは残念です。

このように見てきますと、近年のフジテレビは迷走しているように思えてなりません。特定の経営者の影響という話も、あながち噂だけではないのかもしれません。僕の世代では、フジテレビといえば「楽しくなければテレビじゃない!」というキャッチコピーが印象に残っていますが、楽しさばかりを追い求めてきたツケが回ってきたのかもしれません。

楽しさだけを追い求めるのではなく、コツコツと仕事を積み重ね、「義理堅さ」を忘れないことが大切なのかもしれません。

じゃ、また。




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