<公益通報者保護制度>

pressココロ上




ここ1週間は、台風や水害などがニュースで報じられることが多いですが、自然の脅威の恐ろしさを思わずにはいられません。僕が子どもの頃は、台風の被害といいますとが地方の崖崩れなどが心配されることが多く、都会ではそれほど脅威を感じないものでした。しかし、近年では都会でも下水道で雨水を処理することができず、一般の道路が川のようになっている映像を見ることが幾度もあります。今の時代はどこにいても危険と隣り合わせです。

朝方のニュースによりますと、台風のピークは過ぎたようで一安心ですが、それでも風雨・水害に関しはまだ危険があるそうなので油断はできません。そういえば、数年前タワーマンションで水害が起き、エレベーターが使えなくなったニュースがありました。しかし、今のところそうした報道がありませんので、今回は大丈夫なようです。教訓を活かしたのかもしれません。

教訓は活かしてこそ意味がありますが、残念ながら政治の世界ではそうはいきそうもない気配です。昔の話で恐縮ですが、政治の世界では長い間「55年体制」が敷かれていました。簡単に説明しますと、自民党が一強で社会党は批判政党として存在し、この2つの党で政治が動いていたことを指します。この政治体制の肝は社会党が少数意見の「ガス抜き」の役割を果たしていたことです。

見方を変えるなら「ガス抜き」は「少数意見の尊重」ということでもありますので、民主主義が正しく機能していたとも言えます。その後、自民党は政権を2度ほど手放していますが、野党に転落していたのはどちらもほんのわずかな期間です。そうした経験があるからでしょうか、今回の総裁選でもあまり危機感がありません。

マスコミではしきりに「裏金問題が決着していない」と報じていますが、僕の肌感覚では一般の人はマスコミが報じるほど「裏金問題」にこだわっていないように思います。ただ「新しい人に代わってほしいと思っている」とは感じますが、それも真剣に考えているわけではなく、あくまでなんとなくの雰囲気でのことです。一般の人は、日々の暮らしで忙しくそこまで真剣に政治・政治家について考えていません。

そうした雰囲気の中での総裁選を見ていますと、僕が気になっているのは小泉進次郎氏の動向です。出馬表明が延期なったのもなにかしら考えがあってのように思えて仕方ありません。最初に手を挙げたのは小林鷹之氏ですが、時間が経つにつれて存在感が薄れてきている印象です。ご本人も話していたように「知名度がない」ゆえに「最初に手上げた」のですが、あと一つなにかしら対策を練りませんと「その他」にうずもれてしまいそうです。

実は、小林氏が名乗りを上げる前の段階で「小林氏の有能ぶり」について紹介している記事を幾つか読んだことがあります。まだ岸田首相が「総裁選不出馬」を表明する前の段階したので、総裁選を意識してでの記事ではないと思います。簡単に言ってしまいますと「同期の国会議員の中で能力が抜きんでている」ということでした。そうした記事を読んで感じるのは「官僚の実力」です。

政治家になるにはいろいろなパターンやルートがあります。例えば、有名人とか業界の実力者などですが、先日公職選挙法違反の罪で略式起訴された堀井学氏はスピードスケートのメダリストでした。スポーツ選手から政治家に転じる人はそこそこいますし、芸能人もいますが、要は知名度が政治家に転じる際の大きな要因です。そして、知名度のほかに政治家へのルートとしてあるのが「官僚」です。

「官僚」は政治家と接することが多い職種ですが、そこで政治家に知古を得て、政治家に転ずるパターンがあります。中には、最初から政治家狙いで官僚になる人もいるかもしれませんが、行政を経験していることは政治家としての強みにもなります。

有名人のルートから政治家になる人よりも官僚のルートからなる人のほうが能力が高いことは間違いありません。なにしろ官僚は優秀な学生しか就けない就職先です。小林鷹之氏が同期の間で「抜きんでている」と認められたのも、俗な言い方をするなら「頭がよかった」からにほかなりません。おそらくいろいろな問題に対して的確にテキパキと対応する姿が同期から頼もしく思えたのでしょう。というか、「かなわない」と思わせたともいえそうです。同期は、つまりはライバルでもあるわけですから。

最近は労働時間の厳守が問題になることが多いですが、その関係で官僚の労働時間が注目されることもあります。昔から「霞が関」は一年中・一日中「電気が点いている」といわれていますが、つまりは一日中働いていることになります。そうした労働環境でも政治家の要望に応えられるように仕事をしているわけですから能力の高い人しか務まりません。

このように官僚出身の政治家は能力の高い人が多いのですが、「能力の高い人」が完全無欠の人間かといいますとそうでもありません。普通の人同様、欠点も幾つかあります。その一つが「能力のない人」とまではいいませんが、「平凡な人」の気持ちが理解できないことです。現在パワハラで問題になっている兵庫県の斎藤元彦知事はまさにそのような人物のように見受けられます。

昔から官僚から知事になるパターンは多いのですが、僕の印象では「いい人」が官僚から知事に転じると思っています。僕の勝手な憶測ですが、官僚のトップは事務次官でたった一人しか就けません。つまり、同僚といいますか、「仲間を押しのけてまで」という強い出世欲ある人だけで就ける地位です。ですので、僕からしますと、途中で「知事」に転じる人は、出世欲に取りつかれておらず、性格が「いい人」と思えてしまうのです。

そういう意味で、僕が一番好きだった知事は片山善博氏です。片山氏は自治省から鳥取県知事に転じた方ですが、私利私欲がなく真に県民が幸せになることだけを考えて政治活動をしていた方でした。その片山氏とは対照的に、報道で知る限り兵庫県の斎藤知事は正反対の人物のように見えます。

一昨日、兵庫県で百条委員会が開かれ、斎藤知事への証人尋問が行われました。そのやり取りを見ていますと、僕が尊敬する片山元鳥取県知事とは違う人物像が思い浮かびます。片山氏は間違っても部下を怒鳴ったり、強い調子で叱責などはしない方です。僕が一番気になったのは「自分の官僚時代の働き方を押しつけている」ところです。まるで自分の働きぶりを誇示しているようにも感じました。

一応、自分の指導法について「不快に思った人がいれば、心からおわびしたい」と話していましたが、自らの振る舞いが「相手を不快にしている」と想像できないことが一番の問題です。トップに立つ人として失格です。社会的にパワハラの弊害が指摘されるようになってすでに数年経っている今の時代に、そのような「振る舞い」をしていたのでは組織のトップとして失格です。

しかし、僕がもっと大きな問題と思うことは公益通報者保護制度が機能していないことです。これはマスコミに対しても感じるのですが、「怒鳴った」とか「机をたたいた」とか「付箋を投げつけた」とか「20m歩かされたことを叱責した」といったことを大きく報じるのではなく、「なぜ、公益通報者保護制度といった観点から今回の騒動を報じないのか」と疑問に思っています。

今回の問題の発端となった元局長の自殺は、公益通報した元局長を懲戒処分としたことが原因の一つです。あるメディアでは「知事側が元局長のパソコンを押収し、中に入っている情報を公にするぞ!」と脅したとまで報じています。これは、公益通報した内容が相手側に筒抜けになっていることを意味します。こうした状況でいったいだれが公益通報するでしょう。

もう一度百条委員会が開かれるそうですが、公益通報者保護制度についてもっと追及してほしいですし、マスコミも同様です。公益通報者保護制度は社会正義のために作られたのですから。

じゃ、また。




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