<御上先生>

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僕は今、テレビドラマで「クジャクのダンス誰が見た(以下:クジャク…)」と「御上先生」をとても楽しく見ているのですが、どちらももう少しで終わるようです。どちらもTBS局なのですが、かつての「ドラマのTBS」の面目躍如といったところでしょうか。僕が青春時代から青年期の頃は、心の底から「面白いドラマはTBSで放送している」と思っていました。

しかし、次第に時は流れ「面白くなければテレビじゃない」を掲げだしたフジテレビが台頭し、トレンディドラマ全盛期となり、一時期は「ゴールデン視聴率、プライム視聴率、全日視聴率テレビ視聴率」の3冠王に数年間君臨していました。確かに、当時のフジテレビには勢いがありました。

女子アナブームを作ったのもフジテレビでした。僕が一番印象に残っているのは「八木亜希子さん・有賀さつきさん・河野景子さん」です。「花の3人娘」とか「アナドル」などというキャッチコピーもありましたので「女子アナブームのピークだったのではないでしょうか。この中で僕が強く記憶に残っているのは「有賀さつきさん」です。

有賀さんは人生の終わり方が本当に見事でした。大分前のことですが、河野さんが新人時代を振り返って想い出話をしているインタビューを読んだことがあります。採用試験のときに有賀さんとトイレで一緒になったらしいのですが、面接前で誰もが緊張する場面だったにもかかわらず、なんと有賀さんは「鼻歌を歌っていた」というのです。その「度胸のよさに驚いた」と話していました。

その有賀さんは2018年に52歳という若さでお亡くなりになっています。素晴らしいと思うのは、今でいうところの「終活」をすべて自分一人で終えて旅立ったことです。有賀さんはシングルマザーとして生きていたのですが、残される娘さんが困らないように「ほぼ完ぺきに準備をしていた」と、亡くなる直前まで病気のことを知らされていなかったお父様が話していました。

これほど完璧な有賀さんであるだけに、わずか4年で結婚生活にピリオドをうったのが不思議です。お相手はフジテレビの元上司なのですが、その方を責めるつもりは毛頭ないのですが、僕から見て「絶対に合わない」と思う男性を選んだことが不思議でした。離婚を発表する際に「夫婦だったけど上司だった」と言い表していましたが、言い得て妙だったと思います。

話が女子アナに行き過ぎましたので修正します。TBSのテレビドラマのお話ですが、最近の僕のドラマの選び方はネットでの評判です。ネットで評価が高そうな番組を見るようにしています。それが冒頭の「クジャク…」と「御上先生」でした。そのときにチェックするのは「オリジナル」かどうかです。「クジャク…」は漫画が原作とのことでしたので少しばかり冷めた気分になりましたが、ストーリー展開がなかなか面白く見続けています。今度の金曜日が最終回だそうですので楽しみです。

「御上先生」はオリジナルですが、やはりドラマはオリジナルが本来の姿です。「御上先生」はとても見応えがあるのですが、内容がかなり堅いのが気になっています。「本当に、今の若い人たちに刺さっているのかな」と不安に思っている部分もあります。僕が20代、30代だったなら今一つストーリーに没入できなかったように思います。

学園ドラマの金字塔としては「金八先生」が有名ですが、「金八先生」は生徒の気持ちを描くのが中心でした。ですので、当時の若い人にも伝わりやすかったと思いますが、「御上先生」はもう少し難解で、官僚という一般の人にはあまりなじみのない職種が絡んできます。さらにストーリーが込み入っています。それでも、視聴率およびネットの評価が高いのですが、僕は本当は半分疑っています。

冒頭で「ドラマのTBS」と書きましたが、僕が20代の頃に一番印象に残っているのは「ふぞろいの林檎たち」です。「三流大学に通う若者3人の青春模様」を描いた作品ですが、ドラマの最後はいつもサザンオールスターズ・桑田さんの歌声「エーリーー」で終わっていました。実に、素敵な演出ですが、その桑田さんの絶叫が見事にドラマにはまっていました。

そのドラマの脚本家は山田太一さんでした。後年読んだインタビュー記事によりますと、山田さんは当初一流大学に通う大学生を主人公に想定していたのですが、取材を重ねるうちに「三流大学に通う学生」の心情に関心が移っていったそうです。山田さんは東大卒なのですが、東大卒でも「三流大学に通う学生の気持ちがわかる」ところがすごいと思っています。人って、自分の経験した範囲でしか理解できないと僕は思っていますので、もしかしたなら山田さんでもなにかしらコンプレックスを持っているのかもしれません。

僕の中で山田さんと双璧の脚本家と言いますと、倉本聰さんです。倉本さんの作品で最初に知ったのは「前略おふくろ様」ですが、ものすごいファンになったのは「北の国から」です。しかも、テレビでシリーズものとして放映されていたときではなく、シリーズが終わったあと、数年に1度のペースで放送されるようになってからです。

倉本さんの自伝を読んだことがありますが、そのときに最も印象に残っている文章があります。倉本さんはNHKで脚本を書いていたときに演出で揉めたことがあり、それが週刊誌に「NHK批判」と報じられ、東京で仕事ができなくなったそうです。そのときに「どこに行こうか」と思ったときに、思いついたのが「北海道」だったのですが、その中で倉本さんは語っています。「人は敗けるとなぜか北に行きたくなる」。だから「敗北」なんだ、という文章なのですが、やけに腑に落ちた記憶があります。

名作が生まれるには絶対に素晴らしい優れた脚本家が必要です。ですので、「御上先生」を見ていて脚本家に興味が湧くのは自然の流れです。やはりこれだけ人気が出ますと、メディアの関心も高まりますのでインタビュー記事なども出てきます。それを読んで驚いたのですが、こう言っては失礼ですが、結構年齢が高いことに驚かされました。僕のイメージでは、特にテレビの場合脚本家は若い人の場合が多いように思っていたからです。

映画「新聞記者」で賞を獲っている方でしたが、実は僕は「新聞記者」はあまり面白くありませんでした。ですが、「御上先生」はとても好きです。「攻めている」のがグングン伝わってきます。官僚の世界に詳しい印象を持ちましたが、インタビュー記事を読みますと「新聞記者」の脚本を書くときにかなり取材・勉強をしたようです。そうでなければ、あれだけの官僚の世界は書けません。

最後に主演の松坂桃李さんについて。プライムビデオの作品で見る松坂さんは結構「エロい作品」が多い印象です。おそらく主演を務めるような人は皆さん、男女を問わずそうした道を通ってくるのかもしれません。それを乗り越えないと演技派とは評価されないようにも思えます。いい悪いは別にして。

実は、僕は松坂さんの人間的な魅力に感じ入っている人間です。理由は、よく俳優にありがちな「自分が前へ前へ」という雰囲気をまったく感じさせないからです。これは僕の勝手な憶測ですが、奥様の戸田恵梨香さんは精神的に追い込まれやすい性格の持ち主だと思っています。ですので、「松坂さんと結婚する」と聞いたときは、「これほど相応しい旦那さんはいない」とまで思いました。戸田さんは本当にいい旦那さんと巡り合えた思っています。

たぶん、松坂さんって「オカミそのままの人」ですよ、きっと。

じゃ、また。




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