<お役人の感性>

pressココロ上




先週は河野外務大臣の神対応が話題になりました。誰に対する「神対応」かと言いますと、パスポートの表記について改善要望をツイートした女性に対してです。少し長くなりますが、引用します。

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(文章が中途半端な個所で区切られているのは、ツイッターの文字制限があるからです)
悔しくて泣けてくる。外務省に「旧姓併記パスポートを持ってるが海外に行く際に色々と説明やビザ取得の際等不便なので、外務省が公式に私が旧姓を併記したパスポートを持ってる理由を説明した文書を出してもらえないか?あるいは私のように困っている人のため英語で説明している資料はないか?」

と尋ねたところと、予想通り「ないですね?」と言われた。少し粘り、「本当に困っているのでどちらに掛け合えばいいですか?」と聞くと上司らしき人に代わり、今度はきっぱり「ないです。そんな事例があるんですか?今まではどうしてたんですか?」と。私「これまでも沢山そのようなことがあり毎回の

説明が大変だった。他にも困っている人は沢山いると思う」と言うと 外務省「ではこれからもそう説明して対応してください。繰り返しですが対応していません。」 と。分かってもらうのがこれほど大変とは(゜゜) 旧姓併記パスポート持ってる人のために、HPに英文で説明載せるくらいやってほしい。。

旧姓パスポートのままでもよかったけど、有事の際に連絡が取りにくい、けど旧姓もバリバリ使ってるって理由で旧姓併記の手続きをした。新しいパスポートを受け取った時は、かっこ付きでも自分の思い入れある名字が残り嬉しかった。けどこのままだと先々でトラブルの元にもなるんじゃあああ

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このツイートの翌日に河野大臣から
「対応を指示しました。」と返信が届いたそうです。ツイッターを投稿した女性が驚き、喜んだのはもちろんですが、河野大臣の対応を賞賛するツイッターが数多く投稿されました。

河野大臣の対応が素晴らしいのは言うまでもありませんが、僕がこの記事で気になったのは官僚の上から目線の対応です。官僚の上司が発した
「ではこれからもそう説明して対応してください。繰り返しですが対応していません」というにべもない言い方は上から目線のなにものでもありません。相手の気持ちを慮るという発想が全くないようです。

上司がそのような対応をするのですから、組織全体がそのように対応するのが通例になっているのでしょう。通例というよりは常識なのかもしれません。一時期官僚の「忖度」がマスコミを賑わせましたが、「忖度」とはまさしく「相手の気持ちを察すること」です。このことからわかるのは、官僚は偉い人の気持ちには敏感に反応するが、一般人には全く反応しない姿勢でいることです。

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10年くらい前ですが、郵便不正事件という検察を揺るがした事件がありました。「検察を揺るがした」ほどの衝撃があったのは、検察が「証拠を捏造していた」ことが発覚した事件だったからです。今月から一定の条件で「取り調べ可視化」が義務付けられましたが、そのきっかけになった事件です。

この事件では厚生労働省の課長職に就いていた村木厚子さんが無実の罪で危うく犯罪者になるところでした。ウソの証言をした部下が裁判で真実を告白してくれたからよかったもののそれがなかったなら冤罪になるところでした。

その村木さんは無罪が確定したあとにいろいろなメディアで検察の問題点を指摘しています。その一つが「検察官と普通に生活している人との感覚のズレ」です。あるインタビューで村木さんは取り調べた検事の言葉で許せないものがあったと憤慨しています。

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検事の取り調べ中、村木さんがどうしても聞き流すことのできない言葉があった―「執行猶予が付けば大した罪じゃない」

「『大した罪』って何ですかと聞くと「殺人や傷害」と言われたので、思わず『偽の障害者団体の金もうけのために証明書を偽造するような情けない罪を認めるぐらいなら、恋に狂って男を刺し、罪に問われた方がまだましです』と抗議しました」
(https://www.nippon.com/ja/people/e00156/より引用)
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検事という仕事にどっぷり浸かっている人は、普通の生活をしている人の気持ちがわからないことを示しています。村木さんの言うように「大した罪じゃない」と考えている検事の感性はあまりにも一般の人とはかけ離れています。

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6年~7年くらい前ですが、僕は国民年金の支払い状況に異議がありましたので年金機構の方と十数回電話でやりとりをしたことがあります。支払った時期が30年以上前のことですので領収書などもありませんし、「支払い済」を証明するのはかなり難しいと覚悟はしていました。しかし、年金機構の担当者の言葉で、村木さん同様に納得できない言葉がありました。

年金で不払い扱いになっていた期間は僕が3年で妻は8年でした。僕の3年という期間でも許しがたいですが、妻の8年はあまりに長く受け入れがたいものがあります。担当者の方とは冷静に話していましたが、心の中でははらわたが煮えくり返るくらいの気持ちでいました。

そのような気持ちでいる僕に対して担当者の方はポツリと「奥さんは、まだ若いから今からでも納めれば、受給資格は得られますよ」と言ったのです。僕たちが異議を申し立てのは「支払っている」のに、「支払っていない」記録になっているからです。受給資格うんぬんではありません。担当者の方は60才を越えていそうな感じの方でしたが、それでも相手の気持ちを察する感性に欠けていました。役人という職種がさせる感性です。

3人のお役人さんを紹介しましたが、共通しているのは所属している組織の感性にどっぷりと浸かってしまい、そこから抜け出せない官僚の姿です。一番目に紹介しました官僚中の官僚である上司の方は「自分が相手を傷つけていること」に全く気付いていないようです。一流の大学を卒業し、一流の人が集まっている組織の中にいながらこのような感覚でいることが不思議でなりません。

奇しくも、官僚の要職に就いたのちに引退した方が起こしている事件が続きました。一人は交通事故を起こし死傷者を出しており、あと一人の方は息子さんを殺めています。官僚という一般社会とはかけ離れた感覚の組織にいたことが「遠因にある」と考えてしまう僕の感覚もまた、一般社会とはかけ離れているのでしょうか。

じゃ、また。







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