<コイズミバチョフ>

pressココロ上




 「とうとう」というか「やはり」というか、小泉さんが衆議院を解散しました。8日の参議院投票を控えた前日夜、ニュースで森元首相が記者団に囲まれている映像が流れました。その口からは「小泉さんは変人以上だ」という言葉発せられましたが、その言葉からは「もし郵政民営化が参院で否決されたなら小泉さんは本気で解散を考えている」と強調しているように感じました。そのとき私はチキンレースを思い起こしました。映画「エデンの東」にありました「2台の車が岸壁に向かって走り先に降りたほうが負け」というゲームです。森さんは先に反対派に降りるように演出したのではないかと想像したのでした。
 さて、その真相はともかくどちらも降りることなく突っ走ったのですが、私個人の感想としてはわかりやすくなったと思っています。反対派の人たちは郵政民営化を政策順位として上位ではないと言っていましたが、そうした論調で今までずっと郵政改革が先送りされてきました。その意味で言いますと小泉さんが郵政改革をここまでたどり着いてきたことは画期的なことです。前にも書きましたが今から約10年前橋本内閣のときにやはり郵政改革がなされようとしたことがあります。当時から郵政改革の必要性が認められていたことの証でもありますが、そのときは最後の最後に郵政族の巻き返しにあい頓挫しました。それほど困難な郵政改革をここまで道筋をつけてきたのですから小泉さんは立派だと思うのです。
 そもそも小泉さんは「自民党をぶっ壊す」と言って首相になりました。そのような小泉さんが首相になれたのが不思議です。そして私は旧ソ連のゴルバチョフさんを思い出します。ゴルバチョフさんはソ連を崩壊させたわけですが、当時、私はよくゴルバチョフさんがトップに上りつめることができたなぁと思ったものです。ゴルバチョフさんの行った政策はそれまでのソ連を真っ向から否定するものです。そうした政策を考えていたゴルバチョフさんがトップになれたのが不思議でありませんでした。小泉さんもゴルバチョフさんも「時代の流れ」「ときの運」があったのでしょう。
 小泉さんは衆議院を解散したわけですが、選挙で必ず勝てるという保証は全くありません。もしかすると自民党が下野する可能性もあります。そのとき小泉さんはゴルバチョフと同じ運命をたどるかもしれません。そう言えばゴルバチョフさんは西側の人々からは賞賛されていますがロシアでは人気があまりないようです。西側の一員の国で生きている私としてはゴルバチョフさんがいたからこそソ連は破綻から免れたのであり、また東西冷戦という国際緊張を解いた良心的な政治家と見えます。しかしソ連という国の中にいるとその業績は価値が違って見えたのでしょう。
 日本国民は小泉さんをどのように評価するのでしょう。小泉さんをコイズミバチョフにするかしないかを決めるのは私たち国民です。
じゃ、また。




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