<土曜日の保育園>

pressココロ上




 台風が近づいていることもあり東京は雨がシトシト降っています。午前9時頃、近くの保育園の前を歩いていると保育園から出てきたお母さんが自転車を動かそうとしていました。なんかちょっと寂しそうな雰囲気が漂っていました。
 土曜日に子供を保育園に預けるお母さんは少ないものです。保育園の中を塀越しに覗いてみますと子供たちの人数も少なく閑散としていました。子供の少ない保育園は暗い感じがするのは不思議です。
 そう言えば…。
 テキストにも書きましたが、私の場合は自営業者でしたので保育園に入るための資格は満たしていました。しかし自営業でない場合は行政の矛盾に向き合わされます。親が働いていないと保育園に入れる資格がありません。かと言って子供を保育園に入れる前にパートにしろ正社員にしろ仕事に就くのは現実的に至難の技です。行政が現実に対応できていない典型的な例と言えるでしょう。
 ラーメン店時代、私は保育園が日曜は休園となっているのが不満でした。本来、保育園は働いている親のために存在しているはずですが、それは世の中の全ての人が日曜・祝日は休んでいるとの前提になっています。しかし小売業やサービス業など消費者に直接接している業界は日曜・祝日こそが稼ぎどきです。日曜・祝日に休めることはほとんどありません。日曜・祝日に休園しているのはお役所的発想と思わざるを得ません。
 やっぱり社会格差ってあるよなぁ…。
 今週紹介しています「メガバンクがコンビニに負ける日」は主にりそは銀行を話の中心にして書かれていますがそこからは金融機関で働いている人たちの高所得ぶりがわかります。それに比べ日曜・祝日に働いている業界の所得の低さが際立ちます。また、同じ業界でも大企業と中小零細企業の格差も際立っています。そして大企業に勤めている人たちは必ずと言っていいほど有名一流大学を卒業しています。こうしてみますと親が子供を塾に入れ学歴を高めようとするのも理解できるというものです。もしかすると資本主義の根幹は学歴社会かもしれません。
 朝日新聞にはちょっと前から子供を保育園に入れることの是非について議論が起きています。きっかけは…フジテレビ! あっ違った。
 きっかけはある主婦からの「自分は子育てが大切だと思っているので専業主婦となり子供を保育園には入れない」といった投稿でした。これについて賛否両論があるのですが、私は子供を保育園に入れるのには大きく分けて2つのタイプがあるように思います。
 1つは 「母親自身が仕事をしていたい」 という理由で保育園に入れるタイプ。他方は男親の収入だけでは足りないので母親も働かざるを得ず保育園に入れるタイプです。保育園は元々は後者のタイプのために発足したのではないかと想像されますが、現在は生活の糧という理由とともに教育費のためと言った理由も多いように思います。ラーメン店などのような個人事業の場合は夫婦で働くことで仕事が成り立っていることがほとんどですので生活の糧と教育費のためといったもの全てを含んでいると言えます。
 賛否の投稿を読んでいますとそれぞれの親の育ってきた環境が影響しているのではないかと思えてきます。
 例えば自分の両親が共働きだった環境で育てられ鍵っ子として寂しい思いをしていた人は親になったとき「自分の子供には寂しい思いをさせたくない」と思うでしょうし、同じ鍵っ子でも兄弟姉妹がいたり仲のよい友だちと楽しく遊んでいたりしてそれほど寂しくは感じていなかった人は親になっても子供を保育園に入れることに抵抗感は感じないでしょう。それに親であれ子供であれ人それぞれ性格も違うのですから一様にどれが正解とは決められないのではないでしょうか。ただ大切なことは子供が心のS OSを発しているのに気づく感性を親が磨くことだと思います。
 …とこんなことを書いていますが、私自身それほど真剣に子育てをしたいう意識はあまりなく子育てについて偉そうに語る資格はないのですが…。まぁ、現在は一応社会人となった子供たちと普通に平凡に暮らしていますのでそれなりによかったのではないかと思っています。それにしても…やっぱり運もあるよなぁ…が実感です。
 昨日は家族で回転寿司を食べに行ったのですが祝日ということもありとても混んでいました。予約受付表に書き込んだ順番は32番目です。こういう状況のときどうしても私はお店の従業員の人たちを応援したくなってしまいます。お客が楽しく食事をしているときに必死に働いていることに感動してしまいます。席を案内されたとき心の中で「混雑に負けるな。みんな頑張れ!」と叫んでいました。
 食事も終わり会計は私が払ったのですが、そのあと子供たちがカンパをしてくれました。少しでも私の負担を軽くしてあげようと気遣ってくれたのです。子供たちのこのような気遣いは今回に限ったことではなく外食をしたときはだいたいにおいて子供たちはカンパしてくれます。ホント、僕の子供たちは僕の子供にしてはよくできた子供です。これも幼かった頃、土曜日の保育園に通っていたからかな…。
 じゃ、また。




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